土鍋の目止めとは

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土鍋の季節がやってきた。

暑苦しい酷暑の夏が終わり、鍋が美味しい季節がやってきました。
鍋料理って、手軽な料理なのに手抜き感がないし、栄養も満点なのでみんなハッピーになれる料理ですよね。
鍋料理が嫌い。なんて人、人生で出会った事がありません。
そこで必須アイテムが「土鍋」
クッチーナでも毎年人気の土鍋ですが、今回は土鍋の取り扱いの中で一番難しいと思われる
目止め(めどめ)について深堀りしたいと思います。(筆:ニシブ)

目止めとは

土鍋を手に入れても、すぐに使うことはできません。目止め(めどめ)と言われる作業をする必要があります。
※一部の土鍋では、目止め不要のものがあります。

↓例えばこんな土鍋も
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目止めとは、土鍋(ごはん鍋含む)を使う前に行うコーティング作業の事。
土鍋の素材は漢字の通り、素材は土なので、無数の目に見えない小さな穴があいています。
その穴をコーティングして埋める事で、汚れや臭いが土鍋の中に染み込むことを防ぎ、長い間土鍋を使えるようにします。

逆に目止め(めどめ)を行わないと、亀裂が入ったり、臭いや汚れが土鍋の中に入り込んで土鍋の寿命が縮む恐れがあります。
目に見えない小さな穴を、おかゆや片栗粉などでふせぐ作業を目止め(めどめ)と言います。
いかにもプロっぽい、難しい作業のように見えますが難しいことはしません。ご安心を。

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土鍋の目止めをやってみよう。

では、早速土鍋の目止め(めどめ)をやってみましょう。
買ったばかりの土鍋は、まるで赤ちゃんのように、何でもグングン吸収します。
いいことも悪い事もぜーんぶ吸収しちゃうので、最初が大事。まるで子育てのようです。

まずは土鍋を洗う事
ゴミやホコリが付いている事もあるので洗いましょう。
ここで早速!
洗う時には、できるだけ洗剤を使わずに洗ってください。(水洗いでサッとで十分)
何故かと言うと、先ほどの赤ちゃんのくだりで「何でもグングン吸収する」と書きましたが、ここで洗剤を使うと
洗剤が土鍋の中に吸収されてしまう可能性があるからです。

以前、お客様から「泡が土鍋から出てきた」なんて、お問い合わせを頂いたこともありましたので
やっぱりここのタイミングでは洗剤を使わないほうがいい。
※伊賀焼など、より穴がたくさんあいている土鍋はより気を付けて。

サッと洗ってしっかり乾かします。特に土鍋の外側部分(火が当たる部分)の水分はよく拭きとってください。
写真のように裏返して乾かすと乾きが早くなります。
水を十分に拭きとらないままで火にかけると、亀裂が入るおそれがあるからです。
(早速、割れてしまうとダメージがでかい)

土鍋を洗って、水分を拭きとったら目止め(めどめ)作業に入ります。

土鍋の目止め(めどめ)にはおかゆ

実は目止め(めどめ)には様々なやり方があるのですが、一番オーソドックスな目止め(めどめ)のやり方を
ここではお伝えしますね。
※複雑なことは、また後日こちらに記載する予定。

土鍋の目止め(めどめ)をするには、おかゆを炊く。
お米からでるでんぷん質が土鍋の内側をコーティングしてくれるので、土鍋が長持ちします。

余談ですが、知り合いの奥様が「毎年土鍋を買っている」と仰っていて、(はてはて?さては金持ちか?)
と思っていましたが、よくよく話を聞くと毎年冬が終わるころに土鍋が割れてしまうのだそう。
結果、目止め(めどめ)の存在を知らず、そのまま普通に使っていたため、一年満たずして寿命を迎えられていた
ようです。勿体ないですね。そうならないためにも目止め(めどめ)をしっかりやりましょう。

さて、本題に戻り土鍋の目止め(めどめ)の方法ですが

1:土鍋の8分目(おおよそ)までお水を入れます。
2:次に水の約5分の1のご飯(炊いたやつ)を入れます。トロトロになるまで弱火でじっくりしっかり煮込む。
3:煮上がったら火を止めて、放置する(一晩そのまま放置させるとベスト)
4:完全におかゆを冷ます。
5:水洗いをして水気をとって、乾かす。


というおおよその流れです。
もう少し詳しく見ていきましょう。

お米と水の分量というのは、おおよそ。
何よりも大事なのは

水は土鍋の8分目までしっかり入れる事。
ごはんをたっぷり入れる事。(5分の1以上でもOK)
弱火でコトコト煮る事。

しっかりでんぷん質を作る事で、コーティングをより強固にすることができます。
料理ではないので、細かいことは気にしない。ワカチコワカチコ
短い時間よりも長い時間がいい。少ない量よりも多い方がいい。
そんな感じで十分。

できればワンシーズンに一度から二度目止め(めどめ)をやってほしい。
イメージは、秋のはじまりくらいに目止め(めどめ)をして、シーズン終わりの頃(2月くらい?)にもう一度やっておくくらいが一番いいかな?と思います。
どうしても使っていくうちに洗剤で洗って、コーティングはとれてきてしまうのです。

こんな感じで大事な工程だけど、気楽にやってくださいな。めんどくさいけれど(笑)

土鍋の目止めの大事さ。

土鍋の目止め(めどめ)の大事さとやり方は、だいたいご理解頂けたでしょうか?
まだまだ、伝えきれていない事が山ほどありますので、別途こちらで紹介させて頂きますね。

他の調理器具と違って、作業があるのでメンドクサイと思う方もいらっしゃると思いますが
普通に使えば、10年以上使える土鍋なので、大事に経年変化も楽しみながら土鍋を使ってもらえればいいかな?
と思います。

ぜひ世界のひとつだけの自分の家の土鍋を育ててくださいね。

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目止めと片栗粉

※2025年1/7更新
気がつけば、あっという間に時が過ぎてしまっておりましたが、目止めの方法にはいくつかあります。

・残りご飯でコトコトおかゆを作る方法
・生米からご飯→おかゆを作る方法
・片栗粉で目止めをする方法
・お米のとぎ汁でする方法

とまぁざっと書くだけでも4種類もある。
そしてどれがいいのか?サイトをいくつを見ても色々書いてある(笑)

そこで経験上、そして個人の主観になってしまいますが、一番簡単だと思うのが
やっぱり上記で説明した「残りご飯でコトコトおかゆを作る方法」です。
一長一短あるけれど、これが一番かなー。と考えました。

目止めのやり方を比べた

まず、目止めは「濃いでんぷんが土鍋の表面にしっかり入る事」が大事です。

なので、生米からご飯を炊く場合、一番最初に吸水するのは水(お湯)になります。
細かいことは気にしない~と思いますが、生米→ご飯→おかゆ(ここででんぷんドバドバ)
とゴールのでんぷんまでが長い。最善を考えるなら、これだったら残りご飯でいいやん。ってなる。
という理由で、生米は脱落。

とぎ汁でやる方法は?
でんぷんの入った水じゃん。と思いましたが、でんぷんの量が少なくて目の大きな土鍋にはあまり向かない。
ということでした。(窯元談)
逆に、目の粗い味わい深い陶器の目止めをするなら、とぎ汁で十分という事でした。

よくあるのが「片栗粉で目止めをする方法
これはでんぷんが一番最初に出てきます。(水溶き片栗粉と同じ原理)
これならいいやん!とずっと思ってました。

そこで、ニシブの母にやってもらいました。
感想「洗うのがめっちゃ大変」だそうです。

まぁ考えれば、水に片栗粉入れる。→沸騰させる(トロトロ)→放置→翌日固まる
となるわけです。

たぶん、片栗粉の量にもよります。
なので、何度も目止めをして、慣れてきたら片栗粉でやってもいいと思うのですが
片栗粉の量の調整をしないといけないかな?と。

総合判断で、「残りご飯でおかゆを作る」が一番お手軽かと思いました!

よくある質問

Q:最初に洗うのは水洗い?洗剤で洗う?
A:水洗いで十分ですが、気になる方は洗剤で洗ってもOKです。しかしすぐに注いでください。水に浸けるのはNGです。そしてしっかり乾かしてください。(地域、気候にもよりますが半日~1日)

Q:乾燥はどれくらいやったほうがいい?
A:使った後の土鍋は、洗った後1日は乾燥させてください。(ここで洗剤を使って洗うのはOKです)
 (夜に洗って、翌日夜に使うのは大丈夫です。)

Q:残った鍋はそのまま冷蔵庫などに入れてもいい?
A:やめてください。そのまま鍋料理の汁が土鍋の中に染み込んでいきます。食べ残したものは別の器に変えて
  保存してください。

Q:使っているうちにヒビが入ってきました。
A:ヒビの深さにもよりますが一般的には「貫入(かんにゅう)」と呼ばれるものが入ります。
  細かいヒビのような模様が特徴です。(土と釉薬の膨張、収縮率の違いによって発生します。)
  割れているわけではありません。ご安心ください。
  火にかけたときの膨張する力を分散させ、土鍋が割れてしまうことを防いでくれるものですが、深くなると割れ
  てしまう事もあるので、その際には目止めを再度する事をお勧めします。

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